第六番
喜びも悲しみも
本当は外に出たがっている
閉じ込めず感じたままを
そっと口に出してみる
カゴの扉をわずかに開けて
飼い馴らされて怯えたままの
羽を虚空に広げてみる
傷口から滴る体液をそのままに
不安を受け入れ喜びに逆らわず
思うがままに羽ばたけば
やがて光がその身を照らす
そのままで
あるままで
確かめるのだ
光の先に待つものを
第七番
いつでも止められる
どこでも生きられる
恥という名の
靴さえ脱げば
第八番
風
鳥
稲穂
すべて
ゼロ
第九番
正解ってなんですか。道草を許さぬことです。
近道ってなんですか。頭で理解することです。
愛情ってなんですか。わがままが化けることです。
理由ってなんですか。支配できると思うことです。
絶望ってなんですか。傲慢さを拭えぬことです。
孤独ってなんですか。傷つくのを恐れることです。
永遠ってなんですか。変化に耐えられぬことです。
明日ってなんですか。今日を受け入れぬことです。
幸福ってなんですか。こうしていられることです。
第十番
血塗られた道も、
やがて希望の場所となる。
本懐遂げれば善悪もなし。
罪とは何ぞ。
罰とは何ぞ。
時が過ぎれば善悪もなし。
真とは何ぞ。
偽とは何ぞ。
我が身我が道髑髏。